守りたいもの
第一章
変なクラスメート
「ほら、小宮!席着けよー」
俺の朝は、いつもこの一言から始まる。
「うぃす」
気だるそうに返事をして、
おれは窓際の席に腰かけた。
小宮涼太 15歳。
ちなみに高校一年生。
この間、2か月付き合った彼女と
別れたばっかりで、
現在傷心中の現役高校生だ。
「おい、フラれた涼太くん。朝から小言言われまくりですね~」
「っせーな。ほっとけアホ」
ガタッと椅子をずらして
後ろを振り返ってきたのは、幼なじみでもある
親友、矢部俊哉-シュンヤ-。
にやにやと笑ってくる俊に、
俺は思いっきりしかめっ面をしてみせた。