美しい君の名を
元気にはしゃぐ子供を見て、ついそう思う。


小さな手足を振って、拙い動きで走り回るその姿はとても愛らしい。

何が楽しいのか
何がそんなに幸せなのか

屈託のないその笑顔はこの上ない愛おしさ。


でも、躓いて地面に倒れこんだときの、

あの、空気がとまる一瞬。

慌てるこちらを拍子抜けさせるくらい、静かになるあの一瞬。


つい、駆け寄る足を止めて様子を見守っていると、声のない泣き顔で、まず、相手を確認する。
母親が自分を見ているとわかった途端、泣き出す。




ーーーーー可愛い。

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