Autumn tint
其の羽、鴉天狗

プロローグ・・・?

目の前が、闇に染まっていた。




確認できるのは俺の前で向き合い、光やら光線やらナイフやらで勝手にドンパチやっている二人の少女だけであり、それ以外は全くの暗闇に染まっている。




「・・・どうなってんだ・・・コレ・・・?」




俺がつぶやくと、紫のドレスの少女がこちらを見てくすりと笑った。




「あら・・・だって・・・」



そして持っていた羅傘を俺に向けた。傘の先に青い光が集まる。



「貴方のせいじゃない?」



青い光は傘の先に凝縮されている。どうやら俺を粉々にするつもりらしい。





・・・これは・・・どんな冗談だ?






輝きを増していく光と、とっさに動くもう一人の少女の漆黒の羽を目に写しながら、俺は考えていた。










―事の始まりは、あの時間―
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