セツナイ視線。

佳菜子がジャージ姿で駆け寄って言う。
「ねぇ今日幅跳びと1000mだってさ」
「まじでぇ…砂だらけになるじゃん(泣)」

――――――


嫌々着替えてグラウンドに出ると、ハル達のクラスの男子がわいわい騒ぎながらストレッチしていた。

「あっハル達も体育なんだね」

先に恭一がこっちに気付き声をかける。

「おぅ!お前ら今日何やんの?」

にかっと白い歯を見せて笑う恭一。

恭一も喋んなきゃかっこいいのにな~とふと思う。

「幅跳びと1000mださ~」
「うわ可哀相~俺ら自習だょ。佳菜子1000mも走れんの(笑)??」

「走れます~~恭一よか速いんじゃない?」

「なにを~~!!」

この二人の会話は相変わらずだ。


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