セツナイ視線。
「わかってるって!」
内心しつこいなぁと思いながら私は黒板を消す。
すると美和がさり気なく手伝ってくれた。
「明菜ねぇ、高校入学してからずっと武石君の事好きだったんだ」
「そうなの!?」
そういえば羽鳥さんてすごくモテるのに誰かと付き合ってるのは見たことなかったな…。
「あの子あの通り内気だからさぁ、一回も武石君に話しかけた事ないんだよね。でも今年はもう三年生だし、私がこのままじゃ駄目だって説教したら、『美和ちゃん私頑張る!!』とか言い出してさ(笑)」
美和はアネゴ肌で、よく人に説教をしてくる。
気取らないサバサバした性格で、男女関係なく友達が多い。
たまにお母さんって呼ばれてるけどね(笑)