セツナイ視線。


――――――――

「超うめぇよ川崎コレ!」

「だろ~?マスターの料理はほんとうまいんだ」


結局ハルの好きな人の話題は流れ、私は羽鳥さんの事も詳しく聞けないまま、もくもくとパスタを食べた。


ぺろっと食べ終えた恭一と佳菜子に、川崎君がデザートのメニューを出してくれた。


ハルは、携帯を開いて時間を確認すると、椅子から立ち上がった。

「俺、帰るな!もうすぐバイトだから」

「え~もうそんな時間かよ!」

3時過ぎに来たのに、いつの間にか夕方の6時半。


「デザートはまた今度食いに来るわ。うまかった!ごちそうさま!」

ハルは鞄を肩にかけて自転車の鍵を指に引っ掛ける。

「ハル帰るなら私も帰るよ!!」

私はとっさに立ち上がって言った。


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