セツナイ視線。

店の横に止めてあったハルの自転車に乗り、いつものように二人乗りで帰る。

「駅まででいい?」

ハルが後ろを向いて聞いた。ふあっと柑橘系の香水の匂いがした。

「うん!ありがとね!」

「じゃ、出発!」

ぐんっ、と体がハルに引き寄せられる。

「お前微妙に重いんだけど(笑)」

「あんだけ食べたらしょうがないでしょ!」

もしハルが誰かと付き合ったら、私はもうこの自転車には乗れないのかなぁ。



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