セツナイ視線。
お互いの顔が息がかかるほど近くにあった。
ハルはじっと黙って私を見つめていた。
黒い透き通った瞳に私が写っているのがわかる。
…なんて綺麗な顔なんだろうと思った。
やめてよ。
そんな顔で見ないで。
ハルはもうすぐ羽鳥さんの彼氏にならなきゃならないんだから。
なにか言わなきゃ。なにか言わなきゃ。
「あ、あのね、さっき話した羽鳥さんって子がハルのこといいなって言ってたからね!ハルと仲良くなったらぃぃなぁと思ってね、それで…」
ハルの表情が曇った。
でも私の口は止まらない。
「…で、ね!羽鳥さんすごくいい子だし可愛いからハルにすごくお似合いだしくっつけちゃおっかなぁ~なんて!!」
「うざいから。」
静かな低い声。
でもはっきりと聞こえた。