セツナイ視線。


ゴクン、と生唾を飲み込む。
心臓の高鳴りは最高潮だ。


言うんだ。あんたなら言えるよらん。フラれたっていいじゃん!!伝えなきゃなにも始まらない!!覚悟を決めて!!!開けちゃえ!!!

ガチャッ

「………!!!!!」


ドアノブを持とうとした瞬間にドアが開いた。



立っていたのはTシャツにスウェットの武石ハルだった。



「……どしたんすか?」


怖いイメージだったハルは、意外にも優しい声をしていた。
「あっっ…あの!こば、小林りょ亮太君は…」


私は挙動不審で噛みまくりながら言った。


「え、今誰か俺の事呼ばんかった???」



ドアの向こうから、亮太がひょこっと顔を出した。


< 55 / 76 >

この作品をシェア

pagetop