セツナイ視線。
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キーンコーン
カーンコーン
チャイムが一時間目の始まりを知らせる。
空が澄んで晴れ渡っていた。
私は遅刻した佳菜子に、サボる事を伝えると、ダッシュで屋上までやってきた。
メールはまだ返ってこない。
まだメールすら見てないかもしれない。
けど、来てくれるはず、ハルなら。
私はずっと携帯と睨めっこしながら、ハルを待った。
授業が始まって15分後くらいに、ガチャリと屋上のドアを開ける音がした。
――ハルだった。
「ハル…!」
「…よぉ。」
いつもと変わらない声のトーン。
ハルはゆっくりとこっちに歩いてくると、少し離れたところで足を止めた。
来てくれた。
なんだか泣いてしまいそうだった。
「ごめんなさい!!!」
私は勢いよく頭を下げて、心の底からハルに謝った。