セツナイ視線。
「私ハルにすごく無神経なことばっか言っちゃって、すごいおせっかいだった。羽鳥さんと付き合えば、なんて…。ハルの恋愛はハルだけのものなのにね。」
黙って、無表情で私を見つめるハル。
「ほんとにごめんなさい。もうあんな事言わない。」
少しの間沈黙が流れる。
空高くのぼる鷹が、円を描いて遠くに飛んで行った。
緊張で、首に冷たい汗が滲んでいた。
ふうっと息を吐き、ハルは少し笑って言った。
「もぅいいよ。俺の方こそごめんな。俺も少し言い過ぎたわ。」
「…ハル?」
笑っているけど、笑ってない。
そんな表情だった。
「俺、戻るわ。トイレいくっつって抜けてきたから。」
「あ、うん。ほんとにごめんね!ハル!」
「お~。」
すたすたと歩いて行くハル。
「また前みたいになれるよね!?」
バタンッ
ハルは私の問い掛けと同時に扉を閉め、教室へと戻って行った。