セツナイ視線。
うちの学校は部活動が盛んなせいか、体育館がやたらとでかい。
私達は階段をのぼり、二階の観客用スペースからハルを探した。
お昼の体育館はバスケやらバレーやらバトミントンやらを楽しむ生徒で溢れていた。
そんな中、ひときわ目立っていたのがハルだ。
「おら、斉藤パス回せ!!」
ハルの大きな声が響く。
数人のバスケ部の男子と、チーム戦をしているみたいだった。
ハルはタオルを腰からたらして制服のズボンをまくって、Tシャツに着替えていた。
それを見て佳菜子が笑う。
「あいつ一年相手にやる気満々じゃん(笑)」
「確かに(笑)」
ハルは仲間の3ポイントが入ったのを見てはしゃいでいた。
楽しそうに、子供のように笑うハル。
屋上で私といた時の顔とは全然違うよ。
きゅうっと胸が締め付けられる音がした。