セツナイ視線。



うちの学校は部活動が盛んなせいか、体育館がやたらとでかい。

私達は階段をのぼり、二階の観客用スペースからハルを探した。



お昼の体育館はバスケやらバレーやらバトミントンやらを楽しむ生徒で溢れていた。





そんな中、ひときわ目立っていたのがハルだ。

「おら、斉藤パス回せ!!」

ハルの大きな声が響く。


数人のバスケ部の男子と、チーム戦をしているみたいだった。


ハルはタオルを腰からたらして制服のズボンをまくって、Tシャツに着替えていた。


それを見て佳菜子が笑う。

「あいつ一年相手にやる気満々じゃん(笑)」


「確かに(笑)」


ハルは仲間の3ポイントが入ったのを見てはしゃいでいた。


楽しそうに、子供のように笑うハル。


屋上で私といた時の顔とは全然違うよ。



きゅうっと胸が締め付けられる音がした。





< 69 / 76 >

この作品をシェア

pagetop