新しい扉―長い長い片思いの結末―
3―先生からの卒業―
日に日に近付く卒業に怯えながら、毎日過ごしていた。
寂しさや不安をかき消すかのように、先生に話しに行った。
先生は、私のわがままを何でも聞いてくれる。
悩んでいると言えば時間を作ってくれるし、
勉強を教えてと頼めば、数学だって教えてくれた。
でも、私の一番のわがままだけは聞いてくれなかったね。
『先生の彼女になりたい』
先生の心を掴むことはできなかった。
私は自分のことしか考えていなかった。
卒業前の先生がどんなに忙しいのか。
精神的にも肉体的にも先生は疲れ果てていただろう。