新しい扉―長い長い片思いの結末―
「よ!荒木!元気か?大学頑張ってるか?」
何度も夢に見た先生が、目の前にいる。
「うん。頑張ってるよ。先生も元気そうだね!」
精一杯の笑顔を向けて、先生を安心させるんだ。先生はわかってくれてる気がするから。
私が今もまだ苦しんでいること。
だから・・・先生を安心させるんだ。
「大学は楽しいよ~!男もいっぱいだしね」
そうかそうかと先生は笑った。
噂は嘘だったのかと思うくらい、先生と矢沢さんには距離がある。
矢沢さんはまだ表情を曇らせたままだった。
想像していた同窓会と違う。
先生・・・やっぱり先生は私が愛した人だね。
私が思っていたよりもずっとずっと素敵な人。
辛い同窓会になるはずだったのに、
なんだか楽しい。