新しい扉―長い長い片思いの結末―



「高校3年の時の担任の新垣です。荒木のこと、よろしく頼みます。荒木は、口は悪いけど、それは本心とは限らないから。気長に待ってやってよ」



先生は寒そうに上着を着ながら言った。



「変なこと言わないでよ、先生!!まだ彼氏じゃないし!!」




「まだ?」




しまった。


晃は目を見開いて、私を見た。





「潤子ちゃんを待てるのは俺くらいしかいないんで、何年でも待ちます」




先生は安心したように笑って、じゃあなと言って歩き出す。



先生の大きな背中にそっと『バイバイ』と言った。





< 43 / 49 >

この作品をシェア

pagetop