新しい扉―長い長い片思いの結末―
「ねぇ、キスしてみて」
私は車に乗り込むと、晃にこんなお願いをした。
試してみたかった。
今までの男と晃、どう違うか。
誰にもドキドキしなかったけど、晃にはドキドキするのかどうか。
エンジンをかけた車の中で、晃は理由も聞かずにキスをした。
いつも優しい晃の、力強いキス。
「全然ドキドキしない!!やっぱ、晃のこと好きじゃないや」
嘘。
本当はドキドキした。
きゅんってしてしまったんだ。
晃相手に。
そのまま晃の胸に顔を埋めていたいと思った。