我が家のお隣りさん。

何が起きたんだろう。

わたしの目の前には、目を閉じた秀ちゃんの顔。

唇には、温かくて柔らかい感触。


そっ、と唇が離される。


秀ちゃん、

自分が何したか分かってる?

キスしちゃったよ、わたし達。


「何でオレがひなのにキスしたか、分かる?」


ふいに、そう聞かれる。

何で、って……

「……誰かとキスしてみたかったから?」


秀ちゃんも中学生だし、そういうことに興味があるのかも。

そう思って答えたわたしに、不機嫌そうな声が返される。


「違う。『誰か』と『してみたかった』んじゃなくて…『したかった』から」






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