。゚+相方Lovers+゚。
「…──てわけで。学年末テスト近いから、ここ!小テストするからなー!うん、明日!今決めた」
クラスからえぇー!という非難の声。
「うっさーい!やるゆーたらやんねん!」
うがー!って効果音でも出そうな剣幕でまくし立てる数学教師、多田滋(タダシゲル)先生。通称、多田っち。
この学校で一番若くて、人気者の先生。
俺の苦手とする数学担当。
でもこの人のおかげで数学が好きになった。……苦手なんには変わりないけど。
そんなことをぼんやり考えてたら。
「コラ。無視すんな」
「おぉ!多田っち!」
目の前に多田っち。
「おぉ!ちゃうわ。さっきから何べん呼ばせる気やねん」
「え?なんか用なん?」
「お前今日日直やろ。ノート、回収したから教官室持ってくん手伝え」
「えぇー!」
なんで俺今日日直やねん!!
ふてくされてる俺に、
「ええこと教えたるから黙ってついてこいや」
と、ニヤリと笑った。
いやいや、教師よ。
そうやって生徒誘惑してええんかいな。
とか思いつつ。
「行く行くーっ!」
単純な俺は、そのええことが知りたくてホイホイついていった。