【短編】極道彼氏!~あたしの虜~
「はぁはぁ…っ…」



あたしは転びそうになりながらも、銭湯に向かう。ここしか篠原くんが居そうな場所を知らないから。



篠原くんの家は、あまり覚えてないから。だから、あたしは銭湯に向かう。居ますようにと思いながら…








ガラリ…
だだだだ…



「美紀ちゃん!?」



銭湯のオバサンの言葉もあたしの耳元には入らない。今は、それどころではないから。



「篠原くん!?」



男湯に入り周りを見渡しながら問いかける。だけど、篠原くんらしき人は居ない。



「篠原くん!!!!あたし…」



会いたいよ!!っ…な…なんで居なくなるの!?急に…やっぱり遊びだったんだ!?



「やっと…っ…し篠原…くん」



「美紀ちゃん?大丈夫?」



オバサンがあたしの背中を優しく撫でる。だけど、あたしの顔は涙でぐしゃぐしゃだった。



それでも、オバサンは、優しくあたしの背中を撫でる。



お母さんみたいだな。オバサン…。あたしのお母さんとは大違い。
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