【短編】極道彼氏！～あたしの虜～

『美紀さん…』



『たつや、あまりもう構うな。ややこしくなる。それに、金が減る』



銭湯の脇に黒塗りのベンツが止まっている。そこには、桐生とたつやと言う青年が二人が乗っていた。



桐生と言う男は、世の中金だと思っているようだ。組長の息子＝時期組長候補のたつやは、最近金遣いが荒くまいってるらしい。



『いい加減にしろ!!ここ数日で百万は使ってるんだぞ!?知ってるのか!?』



『そうだったか!?わりぃな？桐生…』



『全く、メスブタなんかに惚れるとは…時期組長失格だな？』



『な!!お前!!!!!やられたいのか!?』



たつやは、桐生の胸倉を掴み睨み付ける。



『これだから、短気はダメなんだ。時期組長なら、時期組長らしく振る舞え!』




そんな事分かってるよ!!桐生に言われなくてもな…



そう思いながらたつやは、胸倉から手を放すと、真っ直ぐ銭湯を見つめた。



桐生の言うとおりなのか!?美紀さんが、二股してるなんて…