【短】Eqeal
「ねぇ直樹?」


講義の後、美羽が真剣な面持ちで口を開いた。


「今からでも…就活しようよ」


今まで何度も何度も話した。

俺の意志が変わらねぇことも伝えた。


それでも言ってくるってことは、美羽にも考えがあるんだろう。




「俺が作曲家になるの…そんなに嫌か?」


「…嫌じゃないよ?でもやっぱり……不安だよ」


目に涙を溜めながら続ける。


「直樹は将来のことしか見てないの?あたしはどうでもいいの?」


どうでもいい?

そんなこと思ったこともねぇよ。


「大人になろうよ。あたしとの将来も考えてよ」
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