【短】Eqeal
「直樹と美羽が付き合ってるって聞いたとき、俺はかなり驚いた」


軽く笑いながら先生が言った。


「なんつーか…悪い意味じゃないけど、性格は正反対だろ?」


確かに、他人から見れば不思議な組み合わせかもしれない。


「でもな、根本的には似てると思ってた。お前たちは」


「似てる?俺と美羽がですか?」


そんなこと、きっと初めて言われた。


「あぁ、美羽も夢見る気持ちは同じだった。ただ諦めが早いと言うか、現実的だっただけだ」


「夢見る……気持ち?」


先生が何を言いたいのか、イマイチわからなかった。


「ん?何だ…直樹は聞いたことないのか?美羽の中学時代の夢は、オーケストラに入ることだった」


「美羽がオケ!?」


そんなの初耳で、動揺を隠さずにはいられなかった。
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