【短】Eqeal
美羽が中3になったとき。


「美羽、お前…女子高に行きたいんだって?」


それは美羽の担任から、進路希望の話を聞いた後だった。


「美羽なら音楽で、あの音美高校に推薦してやれるのにっ」


音美高校と言えば、コンクールで金賞を取りまくってるすごい高校。


近くにそんな高校があるのに、行かないなんてもったいない!!…そう思ってた。


「……いいんです。音楽はやめます」


その言葉に衝撃を受けて、つい取り乱してしまった。


「は?やめる!?オーケストラの夢は!?」


すると、俺とは逆に美羽の冷静な…冷たい目がこっちを向いていた。


「音楽でなんて、生きていけませんから」




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