【短】Eqeal
「理由も当時かなり聞いたけど、結局何が決定的だったのかは分からなかった」


先生の話に驚いたけど、同時に少しむなしくなった。

中学の頃から、美羽は現実を見てたってことだよな。

それってつまり……


「今まで美羽は俺のこと、バカだと思ってたんですかね?」


どうせ叶うことなんてないって…そういう目で見てたのか?

だから就活を…?




「んー…美羽の気持ちは美羽にしか分かんねぇからな。でもただ…美羽はそんな奴じゃないだろ?」


「……ですね」


「なぁ、もう一度話してみろよ」


グラスを置きながら、静かに先生が言った。
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