【短】Eqeal
「直樹…知ってたんだ?」
ふーっと息を吐いた美羽。
「あたしがオーケストラ目指してたって聞いてびっくりした?」
「かなり」
俺の答えに、だよねって寂しそうに笑った美羽。
「生まれたときから、音楽はずっと一番近くにあった。お父さんの背中見て、将来は絶対オケだって思ってたもん」
美羽が音楽好きなことぐらい、俺にだって昔から伝わってる。
「でもね、あるとき急にお父さんはスランプになっちゃって…仕事もなくなって、荒れちゃったの」
多喜音矢ほどの人でも、スランプに陥ったりするんだ…。
「それが原因でお母さんとケンカが絶えなくて、ついには離婚。そのときかな、音楽では生きていけないって思ったのは」
若林先生から聞いた言葉。
美羽が口にすると、また違う重みがある。
分かってるはずなのに、胸が痛む。
ふーっと息を吐いた美羽。
「あたしがオーケストラ目指してたって聞いてびっくりした?」
「かなり」
俺の答えに、だよねって寂しそうに笑った美羽。
「生まれたときから、音楽はずっと一番近くにあった。お父さんの背中見て、将来は絶対オケだって思ってたもん」
美羽が音楽好きなことぐらい、俺にだって昔から伝わってる。
「でもね、あるとき急にお父さんはスランプになっちゃって…仕事もなくなって、荒れちゃったの」
多喜音矢ほどの人でも、スランプに陥ったりするんだ…。
「それが原因でお母さんとケンカが絶えなくて、ついには離婚。そのときかな、音楽では生きていけないって思ったのは」
若林先生から聞いた言葉。
美羽が口にすると、また違う重みがある。
分かってるはずなのに、胸が痛む。