【短】Eqeal
「♪♪♪♪」


急に俺の携帯が鳴った。

ディスプレイには、登録されていない番号が表示されている。


「電話?誰?」


「分かんね。ちょっと待ってて」


一言美羽に断って、通話ボタンを押す。




「はい?」


『あ、加藤直樹さんですか?』


聞き覚えのない、中年の低い男の声。


「そうですけど?」


『はじめまして!!サンレコードの東野と申します』


「サンレコード…?」


静かに繰り返した俺の声に、美羽がガバッと顔を上げて目を見開いた。


サンレコードと言えば、俺が一番憧れてるレコード会社。

すげぇ人ばっかだから無謀だと分かってても、しつこく曲を送り続けていた。


血の気が一気に引いたような、ドキリとした感覚が押し寄せてくる。
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