【短】Eqeal
「美羽…?」


小さく震える美羽に驚いて、体を離す。


「もー…ひっく……よかったね!!」


俺のために美羽が泣いてくれてる。

それをすごく愛おしく思う。


「ありがとう」


俺はもう一度、美羽を抱きしめた。


美羽がいれば、幸せも2倍3倍に膨れ上がる。


「直樹…がんばってたもんね……ひっく」


「美羽?うれしいときは笑っていいんだぞ?俺は美羽の笑顔が大好きだから…」


そう言いつつも、俺も静かに涙を流した。

…今まで我慢してた感情と一緒に。




うれし涙が流れるようになったのは、いつからだろう?

ガキの頃はうれしいとき、ただずっと笑ってた。


ほとんど泣かなくなった今頃、涙が流れのは何でだ?

幸せで泣く。

大人ってわけわかんねぇよな。
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