天使の林檎
準備室に入って、美術部のスペースに行く。
「ごめんね、内藤君。先輩達、悪気はないんだけど諏訪君って目立つから気になるみたいで」
「いいんです。あれだけ諏訪が綺麗だと逆に納得できるし。気を使わないでください」
「君は優しいね」
そう誉めると、彼は控えめな笑顔を浮かべた。
確かに内藤君は美形じゃない。
そんなの私だって同じだ。
でも、内藤君はとてもいい子だと好感が持てた。
まずは準備室に置いてある物の説明をしていく。
「堀口先輩は諏訪が気にならないんですか?」
「どうして? 確かに入部理由が自分の絵だって言ってもらえたのは嬉しいけどね。それだけで気になることはないでしょう」
「だって諏訪、綺麗じゃないですか」
「・・・それって理由になる?」
「なりませんか?」
気にしてないと言っていても、やっぱり気にしていたのだろう。
なかなか引き下がらずに質問してくる。
「じゃあ聞くけど、綺麗だと何かあるの?」
「えっと・・・、そういう子に、・・・良く思われたいとか・・・」
言葉が尻つぼみになっていく。
さすがに言いにくそうだ。
でも聞かれたことを素直に言うなんてちょっと可愛い。
「私、年下は恋愛対象外なの。だからいくら綺麗でも君も彼も同じ。本入部が決まれば部活の後輩だよ。それに、美形にはほぼ毎日見慣れてるんだ。だって私の友達、すごい美少女なんだよ。噂くらい聞いてない?」
「噂・・・。あっ、それって松、なんとかって人ですか?」
「うん、松川って言うの」
私の言葉に彼もやっと落ち着いたようで、ぎこちなかった笑顔が晴れ晴れとしたものに変わった。
「先輩って、ちょっと変わってます」
「え? そ、そうかな?」
「はい」
意外とストレートな攻撃に面くらう。
時々変わっているって言われるけど、会ったばかりの1年生にまで言われてしまった。
それからは他の男子部員達も来て、内藤君は交流を深めていた・・・。
「ごめんね、内藤君。先輩達、悪気はないんだけど諏訪君って目立つから気になるみたいで」
「いいんです。あれだけ諏訪が綺麗だと逆に納得できるし。気を使わないでください」
「君は優しいね」
そう誉めると、彼は控えめな笑顔を浮かべた。
確かに内藤君は美形じゃない。
そんなの私だって同じだ。
でも、内藤君はとてもいい子だと好感が持てた。
まずは準備室に置いてある物の説明をしていく。
「堀口先輩は諏訪が気にならないんですか?」
「どうして? 確かに入部理由が自分の絵だって言ってもらえたのは嬉しいけどね。それだけで気になることはないでしょう」
「だって諏訪、綺麗じゃないですか」
「・・・それって理由になる?」
「なりませんか?」
気にしてないと言っていても、やっぱり気にしていたのだろう。
なかなか引き下がらずに質問してくる。
「じゃあ聞くけど、綺麗だと何かあるの?」
「えっと・・・、そういう子に、・・・良く思われたいとか・・・」
言葉が尻つぼみになっていく。
さすがに言いにくそうだ。
でも聞かれたことを素直に言うなんてちょっと可愛い。
「私、年下は恋愛対象外なの。だからいくら綺麗でも君も彼も同じ。本入部が決まれば部活の後輩だよ。それに、美形にはほぼ毎日見慣れてるんだ。だって私の友達、すごい美少女なんだよ。噂くらい聞いてない?」
「噂・・・。あっ、それって松、なんとかって人ですか?」
「うん、松川って言うの」
私の言葉に彼もやっと落ち着いたようで、ぎこちなかった笑顔が晴れ晴れとしたものに変わった。
「先輩って、ちょっと変わってます」
「え? そ、そうかな?」
「はい」
意外とストレートな攻撃に面くらう。
時々変わっているって言われるけど、会ったばかりの1年生にまで言われてしまった。
それからは他の男子部員達も来て、内藤君は交流を深めていた・・・。