ギュット抱きしめてkissして
「もしもし…」
ーー今年のクリスマス…お互い…結論出そう…
そう言って別れた…卒業式の日…
ーー約束のクリスマスまであと一週間に迫った月曜の夜。
コウヘイの声が聞きたくて…思わず電話してしまった。
3年間付き合って…プロポーズもされた…コウヘイと遠距離恋愛になってもう1年。
「よっ…真琴…どうかした…いきなり電話なんかしてきて…」
ーーアタシが電話しちゃいけなかった…
ーーいきなりされたら困ることでもあるの
「ごめん…」
「俺も変な言い方して…ごめん…嬉しいよ…」
ーーホント…
コウヘイの一言で簡単に変わるアタシのキモチ…
「そっちは雪…こっちは凄いよ…」
「ううん…こっち…九州だもん…」
ーーあの頃は…ホントに楽しかったよね…コウちゃん…
遠距離になっても1ヶ月…2ヶ月…はまだよかった。
話す会話もそれなりに楽しかったし…
一ヶ月に一度はどちらかが逢いに行ってたし…
でも3ヶ月を過ぎる頃から…何かの歯車が狂い始めた。
もう今では修復のしようがないところまで来てるのかも。
「……」
「…………」
少し話すと…すぐに途切れる会話…
「今度…いつ逢える…」
「そうだな…まだ…解らない…」
「そっ…か…あ…」
ーー1週間後のクリスマスに…逢うんじゃなかったの…そして…二人の結論出すんじゃなかったの
ーーもしかして…それすら忘れてるってこと
ーーそれにその後ろの音って……
ーー誰かそこにいるの…
ちょっとした音が気になる…それだけで…また眠れなくなる…