【しあわせ偏差値~短編集~】
今日も
バスに揺られる

彼の景色が見えると
願い事はひとつ

『信号よ
 青色で突っ切っちゃえ』

あたしの
しあわせは
ホットドックと一緒に
胃に流しこんだ

傷心は
次の恋のステップ
ポジティブに考えてみる

バスを降りると
背中に声をかけられた

隣りの
男子校の制服

「あの
 いつもバスの中で
 一緒だった者ですけど……
 友達になって下さい」

照れてうつむく彼に
あのときの
あたしを投影させてみた

シンプル イズ ベスト

くすっ

あたしは
頬を緩めた

新しい
しあわせの
食欲が湧いてきた───。

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