月の雫[七福神大戦録]
いつもの帰り道。
近くの公園を突っ走る。
時刻は、もう22時過ぎで、街灯も少ないこの公園に、人はもういない。
でも、私は一度も怖いと、思った事はなかった。
だって、一番の近道だし、何より月の光を感じられる、この静かな感じが私は大好きだから。
ほら、今日も見事な満月が浮かんでいる。
狼男が見たら、完全にヤバいかも。
ドォォォン!!!!
「きゃ!!」
激しい音が聞こえた瞬間。背中に衝撃が走り、私の身体は前方に吹っ飛ばされた。
膝やら、腕やら、ズキズキ痛すぎて、何があったのか全くわからない。
「痛ッ……もう、なに!?」
咄嗟に後ろを振り返ると、3人の男が、私を上から見下ろしていた。
口元に、笑みを浮かべる3人の表情が、月明かりに映る。
背筋がゾッとするような、何かを感じた。