月の雫[七福神大戦録]
(それにお前、陽の力を持っているんだろ?だったら、その力、呼び起こさないと、宝の持ち腐れだぞ)
「……」
私は、落とした竹刀を再び握り締める。
さっきよりも、きつく。しっかりと。
――賭けてみる。
私、人間の可能性に賭けてみる。
今は、あの人達の事を忘れて、自分自身と戦ってやる。
『おや……どうやらアイツ、何か言ったようだね』
『何だかんだで、彼も放って置けないタイプ、ですからね』
『あ~、俺帰ってもいいっすか?』
――そして数時間後。
当然のごとく、ボロボロ状態で、慌ててデートに突入し、稽古は別に明日でも良かったんじゃないかと、後悔した事は、言うまでもない。