月の雫[七福神大戦録]
「あれ?咲ちゃん……だよね?」
振り向くと、そこには恵比寿がいた。
「えび……」
「シィ!ここでは蛯原真。真センパイでしょ?」
「はい……そうでした。先輩は良く中庭に?」
「う~ん、どうだろね。でも、確かに気づくと良く来てるかなぁ。ここの中庭は、本当に静かで綺麗だからね」
そう微笑み、恵比寿はおもむろに空を見上げた。
空は青々としていて、思わず深呼吸をしたくなるくらい、爽やかな空気が流れている。
「確かに、綺麗ですね」
私もつられて、同じ空を見上げる。
「黒崎と、何かあった?」