月の雫[七福神大戦録]
「見つけた」
真ん中に立つ、リーダー的男がハッキリとそう言った。
「君だな。ずっと探していましたよ。陽の力を持つ者よ」
漆黒の長い髪をなびかせながら、もう1人の男が私に近付く。
「……何の事よ」
ゆっくりと起き上がり、私は愛用の竹刀を素早く構える。
「なるほど。武芸が出来ますか。でも、我々には通用しない」
「私に、何の用?」
ただならぬ気を感じる。
この男、一体何者?
私は、間合いをはかり、ゆっくり下がった。
「用?そうですね、単刀直入に言いましょう」
シュッ!!
き……消えた!?
さっきまで目の前にいた男は、一瞬にして姿を消し、そして――
『君が、欲しいんですよ』
耳元で、囁くような声がした。