月の雫[七福神大戦録]
数秒で大黒天の動きが止まり、ぼーっとした様子で口を開いた。
『俺は……お前と共に……』
どうしたんだろ!?様子が変……!!
――その時。
「こんな所で覗きとは、悪趣味ですよ」
振り返ると、寿老人が立っている。
切れ長の鋭い目を私に向け、フフっと口角を不気味にあげた。
「弁財天も、あんた達の仲間だったのね!?あいつをどうするつもりよ!?」
ヤバい、震えが止まらない!!
私は、カタカタと竹刀を握った。
「震えているぞ?さぞかし、怖かったんでしょうね。あの夜が」
「ち、近寄らないで!!それ以上近付いたら、今度こそあんたを……!!」
そして一歩、また一歩と、寿老人が距離を縮める。
「やれるものなら、やってみるがいい」