†赤髪の冒険者ジーク†~西国魔都魔道騎士団編~
「どういう意味だ?」

ジークは剣の柄に軽く手をかけたまま、訝しげな表情で彼を上目使いに見つめた。


「ここへ来れば…僅かな望みが繋がるかと思ったのに。この木を、この樹皮に刻まれた幼き文字を…お前は覚えていてくれているのではと…そう思ったのに…。」

ファレルは、喉声を搾り出すように言った。
彼の言葉の語尾は絶望に震えていた。
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