†赤髪の冒険者ジーク†~西国魔都魔道騎士団編~
やせ細った神経質そうなその女はそう言うと金髪の頭を抱え、猫足の豪華なソファにドサリと腰を下ろした。
色白のこめかみに、青い血管が浮き出しそこがヒクヒクと脈打っているのがはっきりと見て取れる。
召使いのレオナは、この女主人の怒りが尋常ではないことを察し身震いした。


「とにかく…今日のことは許しません。ファレルが帰ったらキツイお仕置きをしますからねっ」

更にそう一言続けると女は深い溜息をついた。
レオナは、帰宅後のファレルが受けるであろう罰を思うと彼が不憫でならなかった。
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