†赤髪の冒険者ジーク†~西国魔都魔道騎士団編~
車窓を流れる景色の中に、大きな木や楽しげに駆け回る子供達の姿を見るたびに彼の胸は痛んだ。
(約束を守れなかった…僕は彼の信頼を裏切った。彼は僕にとって初めての友達だったのに。)
セザリオンの頬を涙が伝った。
熱い涙は顎の先から膝の上で固く握り締められた小さな拳の上に滴となり落ちた。
「ふん…。」
そんな彼の様子を横目で見ると、国王は嘲るように鼻を鳴らした。