†赤髪の冒険者ジーク†~西国魔都魔道騎士団編~
少年達のつかの間の出会いから14年の月日が流れた。
グランマは今もその場所で豊かな梢を伸ばし静かに聳えている。
その幹には、“F.R&T.S”とたどたどしい文字が刻まれていた。
その文字を刻んだ少年達を、彼女はあの日以来見ていない。
樹上で密かに交わされた約束…。
“共に騎士となり国のために正義の刃を振るおう”
その約束は果されたのだろうか…。
グランマはそのことがいつも気掛かりだった。