†赤髪の冒険者ジーク†~西国魔都魔道騎士団編~
「…おい。これがあのダウンウッドの街かよ。」
街は酷い有様だった。
…何もない。
家も人も、家畜も、何一つまともな形で残っていない。
俺達は馬から降り、廃墟の街へ足を踏み入れた。
「これでは、遺体の捜索すら出来ないな。」
ブレイドが眉をひそめて呟いた。
「大丈夫です。僕に任せてください!」
アルが気丈な声でキッパリと言った。
彼は焼け焦げた大地に跪き、両手をそっとそこに触れた。
深く俯いた顔に茶色の巻き毛がサラリと落ち、閉じた瞼を縁取る長い睫が美しい弧を描いている。
ダウンウッドの最期を語る精霊達と交信するアルの姿は彫像の様に美しかった。
街は酷い有様だった。
…何もない。
家も人も、家畜も、何一つまともな形で残っていない。
俺達は馬から降り、廃墟の街へ足を踏み入れた。
「これでは、遺体の捜索すら出来ないな。」
ブレイドが眉をひそめて呟いた。
「大丈夫です。僕に任せてください!」
アルが気丈な声でキッパリと言った。
彼は焼け焦げた大地に跪き、両手をそっとそこに触れた。
深く俯いた顔に茶色の巻き毛がサラリと落ち、閉じた瞼を縁取る長い睫が美しい弧を描いている。
ダウンウッドの最期を語る精霊達と交信するアルの姿は彫像の様に美しかった。