†赤髪の冒険者ジーク†~西国魔都魔道騎士団編~
「アル、体力をかなり消耗したようだが…大丈夫か?」

シールズが心配そうにアルの顔を覗き込む。


「大丈夫です。」

「そうか。無理するなよ。」

シールズは軽く頷くと、俺達を振り返った。


「今夜はここで野営とする。隕石落下地点の調査は明日行う!各自速やかに指示に従う事!」

「了解!」

俺達は口々に答えると、野営の準備を始めた。


(命の消えたこの場所で野営とはね…。今夜は人肌恋しい夜になりそうだぜ。)


カサカサ…。

スンと鼻を啜り、首をゴリゴリと回した俺の足元で炭の固まりが乾いた音を立てて砕けた。
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