†赤髪の冒険者ジーク†~西国魔都魔道騎士団編~
「シールズ、コイツを持って帰るつもりか?」

「うむ…。どうしたものかな。私は学者ではないからな…石の価値はわからん。それよりも、これは西国に災いをなした破壊の石だ、魔都に持ち込むのは気が進まない。」

シールズは顎に手を当て腕組みをすると、しばし考え込んだ。



「あの…。」

アルが遠慮がちに口を開いた。

「僕、なんだか嫌な予感がするんです。あの石にはまだ何か恐ろしい力が燻り続けているような…そんな気を感じるんです。」

彼は大地が発する悲鳴を聞いたのだろうか。
アルの面からは血の気が引き、口元は硬く引き結ばれていた。
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