†赤髪の冒険者ジーク†~西国魔都魔道騎士団編~

【屈辱の帰還】

雄叫びをあげながらファレルを追うジークの背は瞬く間に俺達の視界から消えた。

「…アル、シールズの治療を頼む。」

「あっ。そっ…そうだったね…ヒール!!」

慌ててアルは手首を切り落とされたシールズの傷に治癒魔法を施した。
傷口からの出血はすぐに止まったが、さすがのアルにも失われた手首の再生は無理のようだった。
傷口に包帯を巻き、シールズを鞍の前に乗せ俺は彼を抱きかかえる様にして馬に跨った。
< 91 / 145 >

この作品をシェア

pagetop