†赤髪の冒険者ジーク†~西国魔都魔道騎士団編~
そんな言葉が何の意味を持たぬ事位充分承知している。
部屋に帰って、ベッドに潜り込んだところで安らかに眠れるなどと微塵も思ってはいない。
今日の惨事に関わった者達…アルも、そして恐らく俺も…今夜は一睡も出来ないだろう。


「うん。でも…ブレイドは?」

「俺も、後片付けが終わったら休む。」

「わかった。」

アルは小さく頷くと、荷物を肩に掛け重い足取りで自室へ引き上げていった。
その背を見送ると、俺は血に赤く染まったシールズの愛剣を手に取りその柄を握り締めた。
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