らぶ米でぃ!
10月の中旬

俊太が北海道に行って・・・

それから――――


「俊太ちゃん元気にしてるかな?」


12月のクリスマス

私は、当然ながら家にいて・・・


父のそんなひとり言を耳にして

「元気にしてるよ。昨日も電話あったし。」


クリスマスケーキを食べながらうんざりして言った。



俊太が行っちゃってから

本当にがっかりしてしまったうちの両親


私は『大学でこっちに帰って来るって。』と心配もしてない風に言ってるけど



私がどんなに信じて待っていても

大人は

「だけどなあ・・・」

信じちゃいない。


そもそも、うちの米屋を継ぐ気でいるのに大学行くってゆ~のも変な話だけど


俊太の両親は、『大学ぐらいは出ておきなさい』って


それって、将来はどうなるか分からないからってこと・・・だよね?


本当なら高校卒業してすぐ帰って来てうちの米屋に就職しちゃえばいい。


けど

それじゃあ・・・

私の自由もない


変かも知れないけど俊太が好きでも高校卒業と同時に結婚とかってまだ考えられない。


それでも俊太が好き。

矛盾してるかな?


「舞ちゃん携帯鳴ってるわよ。」


ボーッとしてた私に母が言った。


「俊太だ!」


ケータイ持ってすぐさま自分の部屋に向かう私。


「舞ちゃんったらここで話せばいのに。」

って言う母の声が背中に聞こえたけど


俊太とゆっくり二人っきりで話したい


毎日話してる


けど

今日はクリスマスだもん!


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