短編ホラー小説集
私はその男の子のにんまり笑った顔を見て、鳥肌たった。
男の子の笑った顔は其処らにいる男の子の笑顔より不気味だった。
まるで………人を殺しているときの笑顔のような……
私はサッと血の気がひいて、視線を下に向けた。
ガチャっと音がして私はドアに目を向けた。
友達が出てきて私は心底ホッとした。
そしてまた不意に窓を見てしまった私はその場に立ち尽くした。
だって……男の子がさっきまで笑っていた顔とは裏腹に、憎しみをこめたような鋭い顔で私を睨んでいた。
「どうしたの?」
友達が横から話しかけてくれた。
『えっ?! あ……彼処の窓……』
「窓? あぁ、あの子?」
友達は納得したみたいに言う。