僕の甘甘な想い〜ベッドの上でキミを抱きしめたかった
「真奈ちゃんは、キミで間違いではない」



そう言って少年は、私の手を優しく引っ張り、口元に近付けさせる。



「真奈ちゃん……」



チュッと音がして、少年はかすかに笑った。可愛らしい笑顔に私は、胸がチクッと痛くなる。



私……知らないよね?覚えてないのに。なんでこの子私に優しくするんだろう?


そう思わずには居られなかった。



「誰だ?その子は?」


タラコクチビルの声に私は、はっとし首を横に振った。



ダメ!流されちゃ!確かに可愛いから一瞬だけ付き合っても良いなんて思ったけど、ダメだ!



「知らない!タラコクチビル行こう?」



「良いのか?可哀想だぞ?」



「良いの!」



少年には悪いと思ったけど、私はこれで良いと自分自身に言い聞かせその場を後にした。
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