僕の甘甘な想い〜ベッドの上でキミを抱きしめたかった
「私が転んだから!」


これ以上冬磨くんに切ない表情をさせたくなくて、私は声が大きくなった。



「すまない、気を使わせてしまって」



こんな顔見たくないのに。



だけど、冬磨くんは切ない表情のままだった。悔しいのか、拳を握り締める仕草に私は、思わずその拳を胸元に近付け口付けした。



「真奈ちゃん……」



「大丈夫だよ?冬磨くん守ってくれたよ?」



そう言ってにっこり笑った。冬磨くんは、じーっと私を見つめていた。何を言えば、迷ってるんだ。


「……ありがとう」



「ううん!早く、メリーゴーランド乗ろう?」



「ああ……」



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