去り行く明日へ《短》
去り行く明日へ
家族がいた
恋人がいた
そこには未来があった。
忘れていた
夢のような未来が。
あの地獄は
十代の君からその全てを奪った。
君は、何を思ったのだろう
この穏やかな景色を
描いた未来を
望んだ明日を
その眼に写すことができぬまま
逝ってしまった、君は。
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