去り行く明日へ《短》
帰ってくるよ、とあなたは言ったのに。
あの日を最後に、その眩しいくらいの笑顔を、見せてくれることは二度とありませんでしたね。
たくさん、弾丸を浴びたのですか。
たくさん、苦しい思いをしたのですか。
あなたはあんなにも若く、そして優しさに溢れていたというのに。
あなたはとうとう、私とあなたとの小さな命を、そしてそれに次ぐ新たな命を目にすることもないまま、彼方へ行ってしまいましたね。
ほんとうは
伝えたいことは、たくさんあるんですよ。
あの時だって、本当は。
……そちらは、どんなところなのでしょうね。
どうか、幸せでいてくれたらと思います。
せめて、もう何も恐れずに明日を迎えられる
そんな世界であればと。